今日のお席は1階上手側前方端っこ。意外にステージに近かったので、最近視力が悪くなった気がする私の肉眼でなんとかお顔が見える範囲(近くの人がオペラグラス持ってて、持ってくればよかったなあと思ったしだい。秦くんのときは見てる暇ないけど、大沢さんは見とけばよかったなあと思って)。ステージまんなかに秦くんセット(マイクスタンドやら飲み物スタンドやらGM椅子やら)、下手に本が何冊か置かれた小さなテーブルと椅子と明かり(白っぽいランプシェードのついた、書斎の隅にありそうなスタンド)が読書コーナー風にセットされていました。
どういうものになるんだろう、ふたりはどうやって絡むんだろう、朗読の後ろでギターは弾けても、弾き語ってる横で朗読はできないしね、隣で大沢さんがずっと聴いてても困るしね、終演時間が18:50と書いてあったということで、それって短くない?やっぱり急いで帰ってJIN見なきゃいけないからかなあとか、それにしても秦くんはどんな衣装でお出ましだろう、やっぱり家からそのまま来て衣装に着替え忘れたような服装だろうかとか(でも
実は私服のほうがかっこよいという場面を見たことを思い出しました)、どっちにしろ大沢さんとあまり近くで並ばないほうがいいよねとか、まあほとんど余計なお世話な話をして待っていましたw
17時ぴったりにブザーが鳴り、少しして客電が落ちました。
大沢さんが現れて、例の読書コーナーに座り、朗読が始まります。最初は、「言葉」についての詩だったかな(何の詩だったか探せませんでした)。「言葉は、半分は語り手、半分は聞き手でできている」そんな文句が印象的でした。大沢さん、立ち上がって、上手のほうまで歩きながらの朗読でした。
「最後まで、楽しんでください」といって、また、朗読が始まります。生きていることについての詩でした。
そして暗いなか、秦くんが出てきてGM椅子に座るのが見えました。照明が当たり(秦ボーダー着てるw)、Theme of GREEN MINDを弾き始め、それをバックに大沢さんが朗読。心に残ったフレーズで調べたら、谷川俊太郎「朝」という詩でした。生きていることについての詩は、同じく谷川さんの「生きる」という詩でした。そうだね、確かに谷川さんっぽい。とくに今日、心に残ったところは、
「いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木漏れ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ」
~生きる
「百年前ぼくはここにいなかった
百年後ぼくはここにいないだろう
あたり前なところのようでいて
地上はきっと思いがけない場所なんだ」
~朝
全部載せたいけれど、著作権がありますのでやめておきます。ぜひ詩集を手にとって読んでください。
ここですでに目頭が熱くなった私。
大沢さんが舞台を去り、秦くんがギターを弾いて歌い始めたのは、『僕らをつなぐもの』
照明が落ち、ステージ奥のスクリーン右手には、大きな満月(たぶん。端っこは私の席からは見えなかったのですが)。クレーターまで見える。まあ、そんなことよりなにより秦くんの声の状態が気になってしょうがなかったんですがね。だいぶ持ち直してきたとはいえ、やっぱりまだあと一息という感じでした。張り上げる声は出ても、小さくしたときに伸びがないという感じで。太い平たい声(って抽象的ですが)は出るんだな。高い音もとりづらそうにしていました。でもそんな状態なりに驚くほどの歌声を聴かせてくれるのはすごいなあと思いました。『僕ら~』を聴くというよりどきどきしながら「声」ばかり聴いていたのでした。
秦 基博です。(はじめましての人も多いからね。名前をちゃんと言っておかないとね)
僕の歌のあいだは、ゆっくりする時間ですからね(←こういったか忘れちゃったんですが、いつものようにまた失笑を誘う感じで、さざなみのような笑いが起こったのでした)。リラックスして聴いてください。ここで力を抜き忘れると、帰りに肩がガッチガチになっちゃいますから!(会場ちょっとウケる)
それではこれから一日、素敵な時間を過ごしてください。
『やわらかな午後に遅い朝食を』これまた出にくい声にはつらい歌です(といってもそんな歌ばかりですよね)。一曲目よりは少し滑らかになった感じがありました。最後のアカペラになるところでは、会場が水を打ったようにしーんとなっていることをあらためて感じて、秦くんの力強い声が浮き上がっていました。
そして前奏を弾いて『鱗(うろこ)』。歌に入る少し前、くいっと顔を上げたのが印象的でした。声が若干かすれ気味なのに、なぜか空気がしっとりと変わった気がしたのは、鱗にそういうイメージを持ちすぎているからかな。声がいつもよりざらざらと割れていてそれがまた違ったふうで、それがまたすごくよかったです。しかももう今日の歌パートはこれでおしまいかと思うくらい全力で歌いきっている感じでした。今日の鱗もかなり素敵でした。
その2につづきます。